荀子 上 (岩波文庫 青 208-1)

荀子 上 (岩波文庫 青 208-1)

アバタロー
【名著】荀子|あなたの人生を壊す「小人」の見極め方。性悪説に学ぶ「関わってはいけない人」、「組織をダメにするリーダー」とは。

アバタローさんが紹介

おすすめコメント

人間の本質や組織論について深く理解したい方、努力が報われないと感じている方、人を見抜く力を身につけたい方におすすめの一冊として紹介されています。

「性悪説」は希望の思想

「人間の性は悪であり、その善なるものは偽(ぎ)である」という言葉が有名ですが、これは人間存在を否定する悲観的な思想ではないそうです。

  • 人間の生まれ持った欲望は、放置すれば社会の混乱を招くため、教育や「礼」といった後天的な努力によって正していくべきだと説かれています。
  • つまり、人間の不完全さを直視した上で、努力次第で誰もが立派な人間になれるという可能性を信じる、前向きな思想だと解説されています。

努力が報われる人、報われない人の違い

徳を備えた立派な人物「君子」と、品のない「小人」を分けるのは、才能の有無ではなく人格にあるとされています。

  • 君子は地に足をつけて自分を磨く努力をするのに対し、小人は嘘やごまかしで自分を飾り立て、大きく見せることに注力するのだとか。
  • 何を学ぶかだけでなく、誰と関わり、どんな言葉に触れるかという環境の重要性も強調されています。悪意のある人や不毛な議論からは距離を置くべきだと説かれています。

栄える組織、滅びる組織

社会や組織が安定するためには、ルールや役割分担といった「分解」(区別)が不可欠だとされています。

  • 人の上に立つ者は、能力や実績といった表面的な基準よりも、まずその人の本性を見抜くことが重要だと強調されています。
  • 「君主は船、庶民は水。水は船を浮かべることもできれば、覆すこともできる」という言葉を引用し、力による支配の限界と、人々を大切にする公平な政治の必要性が語られています。

逆境との向き合い方

人生の幸不幸は天命ではなく、すべては人間の仕業だとされています。たとえ努力が報われない時でも、君子としてのあり方を貫くことの重要性が、次のような言葉で示されています。

  • 「深き森に咲く蘭は、その香りを楽しむ者がいなくとも芳香をやめることはない」

理想や綺麗事だけではどうにもならない乱世だからこそ求められた、現実的かつ実践的な教えは、現代を生きる私たちにとっても仕事や人間関係の悩みに応える処方箋となる、と紹介されています。

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