
荀子 下 (岩波文庫 青 208-2)
アバタローさんが紹介
おすすめコメント
人間の本質を深く理解したい方、組織やチームをまとめることに悩んでいる方、努力しても報われないと感じている方、人を見抜く力を身につけたい方、これからの国のあり方について真剣に考えている方に、是非手に取っていただきたい一冊として紹介されています。
「荀子」の思想の核である性悪説は、単に「人間の本性は悪だ」とする悲観的なものではなく、人間の生まれ持った欲望は放置すれば社会の混乱につながるため、教育や礼儀といった後天的な努力によって人を正し、社会に調和をもたらすべきという、人間の可能性を信じる前向きな思想だと解説されています。
その魅力は、性悪説そのものというより、それを土台とした政治のあり方、リーダーシップ、人間関係などへの深い考察にあるそうです。理想や綺麗事だけでは解決できない問題に直面する現代人にとっても、適切な処方箋となる実践的な知恵が詰まっていると紹介されています。
努力が報われる人と報われない人の違い
才能の有無ではなく、地に足をつけて自分を磨く「君子」と、自分を飾り立て大きく見せる「小人」という、努力の方向性の違いが両者を分けると説かれています。人格形成と環境の重要性
人格は、関わる人や触れる言葉といった環境によって育まれるとされています。良い人間関係を選ぶだけでなく、悪意のある人や不毛な議論を避けることの大切さが示されています。社会や組織を安定させる「礼」と「分界」
社会秩序を支える包括的なシステムとしての「礼」や、明確な役割分担・ルールである「分界」の必要性が強調されています。これらによって初めて人々の欲望は調整され、争いを防ぎ、共存が可能になると考えられています。逆境における心の持ち方
どれだけ努力をしても報われない時には、「深き森に咲く蘭は、その香りを楽しむ者がいなくとも芳香をやめることはない」という教えが紹介されています。誰に見られていなくとも、気高く自分を磨き続けることの重要性が語られています。
混沌とする時代を生き抜くための、強く確かな指針となる一冊だそうです。
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